クレソンは水辺を好む植物だ。低地の農場に排水路を整備したとき、その沿岸部分をクレソンの栽培に使えないかと思ったのが始まりだった。2020年から試して、今では農場の定番品目になっている。

排水路沿いの環境がクレソンに向いている理由

クレソンは自然界では川岸や湧き水の近くに生えている。根が常に水に触れている状態を好む。農場の排水路は、雨のあとは水が流れ、晴れが続くと底に少し水が残る程度の状態になる。この「適度に湿っている」環境が、クレソンにとってちょうどいい。土に植えるより茎が細く、辛みが強く出る傾向がある。

収穫のタイミングと味の変化

クレソンは春と夏に最も状態がよい。夏の暑さが続くと茎が硬くなり、辛みが強くなりすぎることがある。収穫は茎の長さが15〜20cmになったタイミングで、ハサミで根元から切る。切ったあとはまた新しい芽が出てくるので、同じ株から3〜4回収穫できる。秋になると味が穏やかになり、生食よりも加熱調理に向いてくる。

食べ方について

朝市でよく聞かれるのが「どう食べるのがいいか」という質問だ。ステーキの付け合わせが一般的だが、農場の常連さんに教えてもらってから試した「味噌汁に入れる」食べ方が気に入っている。沸騰した味噌汁に最後に加えて、火を止めてから30秒ほど置く。辛みが和らいで、独特の香りが残る。豆腐との相性がいい。

農薬を使わない管理

排水路沿いなので、農薬は絶対に使えない。水に流れて下流に影響が出る。除草は手作業で、クレソンの周りに生えてくる雑草を月に2〜3回取り除く。病気は今のところ大きな問題は出ていないが、梅雨の時期に葉に斑点が出ることがある。その場合は早めに収穫して、翌週に新しい芽を待つ。

クレソンは毎週土曜の朝市に並んでいる。定期便にも入ることが多い。農場への行き方はお問い合わせページで確認できる。